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提案営業への転換が鍵――価格競争から抜け出す印刷会社の仕組みづくり

印刷市場の価格競争に疲弊していませんか。安さではなく「価値」で選ばれるためには、顧客の「困った」を発見し、それを起点に企画・提案を設計する提案営業への転換が必要です。自社のサービスと合わせることで単なる印刷物を超えた解決策を提示することができます。
印刷会社経営改善ラボは、転換期を検討する印刷会社や新規事業を模索する企業に伴走し、営業改善や新規顧客開拓に向けた実践的な提案を行います。
続く本文では、導入ステップや短期で成果を出す現場施策を具体的に解説します。

1. 提案営業への転換が鍵――価格競争から抜け出す印刷会社の仕組みづくりを、“安さ”ではなく“価値”で選ばれるための営業体制構築をテーマに

提案型の印刷営業へ転換することは、単なる受注獲得手段の変更ではなく、企業の収益構造と顧客価値の再定義を意味します。市場が縮小する中で安さ競争に陥らず、企画力と提案力で差別化する仕組みづくりが中堅・中小印刷会社の生存戦略になります。

1-1. なぜ今提案営業が必要か

印刷営業が安さの競争に巻き込まれると利益率が低下し、社員の疲弊や技術投資の停滞に繋がります。提案営業は顧客の課題を深掘りし、印刷物だけでなく企画やマーケティングを含めた価値提供を行うことで、単価改善と長期的な関係構築を可能にします。提案営業の導入は営業組織の意識改革と仕組み化を同時に進めることが重要です。

1-2. 価格競争の実態把握

現場では短納期や低価格を求める声が多く、それに応えるために値下げで受注を繋いでいるケースが散見されます。価格競争の本質を把握するには、顧客別の収益構造を見える化し、利益率の低い取引を整理し、代替となる提案や企画で価値転換する視点が必要です。

項目 指標 対策例
顧客別利益率 粗利率、受注頻度 高付加価値提案での単価向上
製品別採算 工程コスト、外注比率 企画見直しと工程改善
競合状況 市場シェア、価格帯 差別化メッセージの強化

1-3. 提案営業で得られる効果

提案営業を定着させると、単価改善やLTV(顧客生涯価値)向上、受注の安定化といった定量的な効果が期待できます。それだけでなく、営業とデザイン企画の連携強化により社内の技術や知見が蓄積され、次の新規事業やサービス企画へと波及します。また顧客が抱える課題解決を通じて信頼関係が深まり、紹介や継続発注につながる好循環が生まれます。

1-4. 導入の初期ステップ

提案営業を始める際はまず現状の受注プロセスと典型的な商談フローを可視化することが重要です。そこから優先顧客を定め、企画提案のテンプレートや評価基準を作り、少人数のトライアルチームでPDCAを回して改善していく流れが有効です。

  • 現状分析と商談フローの可視化
  • 優先顧客の抽出とヒアリング設計
  • 提案テンプレート作成とトライアル運用

1-5. 導入における障壁と対策

提案営業導入時に想定される障壁は、社内の文化抵抗、評価制度の未整備、制作部門との協働不足などが挙げられます。これらに対してはトップのコミットメント、評価指標の見直し、共同ワークショップの実施といった組織的対応が有効です。

障壁 影響 対策
文化的抵抗 変革の遅延 トップメッセージと小さな成功事例の共有
評価制度不整備 行動変容が起きない 提案活動を評価するKPI導入
部門間連携不足 提案品質低下 合同ワークショップと業務プロセスの明確化

2. “価値”で選ばれるための顧客理解法

顧客理解は単なるニーズ把握を超え、顧客の業界課題や生活者インサイトに基づいた企画立案へと繋げることが重要です。印刷営業は顧客のビジネスモデルや販促効果を理解し、最適な印刷+企画提案を行うことで価格以外の選定理由を創出できます。

2-1. 顧客のニーズの掘り下げ

表面的な要求ではなく、その背景にある目的や制約条件を引き出すことが提案営業の出発点です。効果的なヒアリングはターゲットや使用環境、期待する結果を明確化し、それを基に印刷の仕様だけでなく企画や訴求設計をセットで提案することを可能にします。

  • 目的の深掘り(売上、認知、顧客体験など)
  • ターゲットと使用シーンの明確化
  • 成功指標(KPI)の合意形成

2-2. 優先顧客の定義

全ての顧客を一律に扱うのではなく、収益性、成長性、案件化のしやすさなどを基準に優先顧客を定義することが重要です。優先顧客に対しては専用の提案テンプレートや企画パッケージを準備し、短期間で価値を実感してもらうことで信頼を築きます。

基準 指標例
収益性 粗利率、リピート率
成長性 業界トレンド、顧客の事業拡大計画
提案適合性 当社の強みとマッチするか

2-3. 価値を伝えるメッセージ化

顧客にとっての価値を短く・分かりやすく伝えるメッセージの設計は、提案営業の肝となります。印刷という物理的な成果物に加え、企画・デザイン・配布設計・効果測定まで含めた価値提案を言語化し、営業資料やWeb、商談で一貫して伝えることが選ばれる決め手になります。

3. 社内体制を変える実践ガイド

提案営業を定着させるためには、営業の役割定義・評価制度・育成体系を整備し、部門横断での協働フローを実務レベルで落とし込む必要があります。印刷会社経営改善ラボの知見を活用しながら、現場に適した段階的な導入計画を作ることが近道です。

3-1. 営業の役割設計

営業のミッションを「受注獲得」から「課題解決型の価値提供」へと再定義し、個々の営業に求めるスキルセットと業務範囲を明確にします。例えば、新規開拓担当、既存深耕担当、企画連携担当といった役割分担を定め、チームで提案を作る文化を醸成することが重要です。

  • 役割ごとのKPI設定
  • 企画連携の責任者明確化
  • チーム目標と個人目標の連動

3-2. 評価指標の見直し

売上高だけでなく、提案数、提案から受注までの転換率、顧客満足度、継続案件率など多面的な評価指標に切り替えることで長期的な行動変容を促します。評価は定量と定性を組み合わせ、上司による行動評価や顧客フィードバックを反映させることで、公正で成長を促す制度へと進化させます。

カテゴリ 指標例
短期成果 月間受注額、受注件数
提案活動 提案件数、商談化率
中長期効果 リピート率、顧客満足度

3-3. 育成プログラムの設計

提案営業に必要なスキルはヒアリング力、企画立案力、プレゼン力、デジタルツール活用力など多岐に渡ります。現場で使えるワークショップ型の研修やOJT、外部専門家による講座を組み合わせ、定期的な振り返りとナレッジ共有の場を設けることが効果的です。

4. 短期間で成果を出す営業現場の改善策

短期的な成果を求める場合は、営業フローの標準化・提案書のテンプレ化・デジタルツールの優先導入に集中投資を行い、営業サイクルを迅速に回す仕組みを作ることが鍵です。株式会社JOTOの事例など外部支援を活用しながら、小さな成功を積み重ねることで社内の理解を得やすくなります。

4-1. 営業フローの標準化

商談から受注・制作・納品までの主なプロセスを標準化し、誰が何をいつまでに行うかを明確にすることで案件の属人化を防ぎます。標準化されたフローは提示する提案書の品質とスピードを安定させ、顧客対応のムラを減らし、短期間での成果創出を後押しします。

  • チェックリスト化された商談フロー
  • SLA(応答・提案期限)の設定
  • CRMやタスク管理の活用

4-2. 提案書の型作り

効果的な提案書には課題提示・解決策・期待効果・費用対効果・導入フローを明確に示すことが必要です。テンプレート化することで営業の作成負荷を下げ、企画部やデザイン部との共同作業もスムーズになります。

項目 記載内容例
課題定義 現状の課題とその影響
提案概要 印刷+企画での解決策
効果測定 KPIと測定方法

4-3. デジタル活用の優先施策

短期で効果を出すには、まずCRMで顧客情報の一元化を行い、次に提案資料のデジタルテンプレート化とオンライン商談環境を整備することが有効です。デジタルツールは顧客の反応を可視化し、企画の改善やリピート率向上に直結します。

5. 営業転換で実現する印刷会社の未来像

提案営業を軸にした転換が進めば、印刷会社は単なる受注加工業から、企画立案やマーケティング支援を行うパートナーへと進化します。その結果、収益性の改善・従業員のスキル向上・新規事業創出の可能性が広がり、地域や業界で選ばれる印刷会社としての地位を確立できます。

まとめ

提案営業への転換は価格競争から脱却し、企画営業で価値を提供する最短経路です。顧客理解と社内体制の変革、提案書や営業フローの整備で短期成果を狙えます。実践には段階的な導入と障壁対策が不可欠です。伴走型支援を求める印刷会社は「印刷会社経営改善ラボ」へ。
株式会社JOTOは元印刷会社の知見で、転換期の貴社に具体的な支援を提供します。組織内の評価指標を見直し、育成プログラムやデジタル施策を導入すれば早期に利益率が改善する可能性が高まります。営業フローと提案書の標準化によって新規顧客開拓が効率化され、従来の価格競争から脱する道が開けます。企画営業と提案営業を両輪に据え、貴社固有の強みを商品化することが肝要です。
まずはお気軽に株式会社JOTO(https://print.jotoinsatsu.co.jp)へご相談ください。

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